このエリアで考えること
共創学部では、その学生生活を通じて、また最終的には卒業時にも、自ら設定した課題を解決するか、解決への糸口を見つけてもらうことになります。そうするにあたっては、現代的問題への感度の高さ、自ら問い続け学び続ける姿勢、国際的視野などが必要なのはもちろんであり、これらを涵養するためのもろもろのプログラムが用意されています。
一方で、人類がこれまで培ってきた英知に立脚し、危なげのない方法に基づいて研究や討論を行うためには、以上に述べたような力だけでは不十分です。一つには、現代的な各種学問的手法というものを、やはり身に着けてもらわねばなりません。もう一つには、現代の学問的方法というのがいかなる性格のもので、その拠って立つところと、意外な危うさとがどこにあるのか、を見極める視座を持ってもらわねばなりません。
このエリアで何が学べるか
われわれは、以上のような考えにかんがみて、各種学問的方法論だけでなく、現代の科学という営みそのものを根底的に問い直して吟味するためのいくつかの科目を用意しました。それが、エリア横断科目群です。
具体的には、プログラミング言語や複雑系の科学、データ解析方法やビッグデータの処理、フィールド調査法が、現代的な方法論にあたります。また、現代の科学とはいかなる営みなのか、科学の社会の中でのありようはいかなるものになっているのか、を問い直す、科学史・科学哲学・科学技術社会論の授業が用意されています。
エリアの特色
エリア横断科目の特色としては、いかなる分野に進もうとも必要となってくる基礎的な方法を熟知している先生方がそろっており、確実な学問的手法を教わることができる、ということがあります。これらは、卒業研究や、大学卒業後も行われるであろう研究にきっと役立つことでしょう。
また、科学史や科学論は、さまざまな分野の学問が当然視している方法論や基盤をいったん問い直し、批判的に検討する姿勢を養ってくれます。こうした科目群が正規のカリキュラムに組み込まれているのは、九州大学の中では共創学部だけです。
同級生とともに現代的問題について議論する際や国際的交流を行う際には、自身の主張や世の中で主張されていることを正当に批判的な仕方で吟味できなければなりません。エリア横断科目群は、そのようなときに、きっと皆さんのための確固たる足場となってくれるでしょう。