地球・環境エリアで考えること
日本各地で頻発する豪雨災害、南米アマゾンやオーストラリア南東部で発生した大規模な森林火災など、近年世界各地で多発している大規模災害は、被災地だけではなく地球環境そのものを脅かすまさに地球人類全体の問題です。しかも忘れてはならないことは、これらの大規模災害は、単なる「自然災害」ではなく、我々人間の活動が環境に与えた負荷が大きく関わっていることです。今まさに人間と地球環境との持続的な相互作用関係はどうあるべきかを、地域の特性や歴史的な経緯も考慮しながら統合的に考えていくことこそが人類全体の喫緊の課題なのです。
こうした現状にあって、地球・環境エリアでは、自然科学・人文科学・社会科学など既存の学問分野をまたぐ学際的な知識と思考を身につけた上で、人間と地球環境のあるべき姿を模索し、危急の課題である環境問題の解決とそのための具体的な方策について考えます。
地球・環境エリアでは何が学べるのか?
今日の環境問題の多くが人間活動に起因する以上、この問題を解決には、自然科学分野の研究だけでなく、地球環境と人間の関わりも含め多角的な視野をもって問題を捉えることが必要になります。地球・環境エリアでは、①地球惑星科学分野、②生物学分野、③社会システム科学分野、④安全システム科学分野の4つの学問分野を専門とする教員が多彩な講義や実習を開講し、学生の皆さんに、興味のある学問分野を深めるだけでなく、課題解決に必要な幅広い学問分野の基礎知識や理論を学べる機会を提供しています。
フィールドワークの重視 ~伊都キャンパスから南極まで~
もうひとつ、地球・環境エリアでの学びが重視しているのは、現場主義と対象へのこだわりです。地球・環境エリアには、伊都キャンパスから南極まで、まさに世界中をフィールドとする教員が集まっています。学生の皆さんには、フィールドに足を運び自ら対象を観察することで、複雑な事象の中に潜む問題を発見する観察力、想像力、洞察力を養い、問題を顕在化するために必要なデータ収集、分析のスキルを養ってもらいたいと考えています。