九州大学共創学部

人間・生命エリア Humans and Life Area

このエリアで考えること

新型コロナウイルスによる感染症が、社会を根底から変えようとしています。感染症に対するワクチンや治療薬の開発に加えて、ウイルスとともに生きていく安全な社会を創ることが重要な課題です。パンデミックによる行動制限、感染の恐れや貧困による不安がある中、私たちがどう考え、行動するか認知科学的視点でパンデミックへの対処法を探る必要があります。

世の中には、感染症だけでなく、超高齢化社会における医療や福祉の問題、先進国における少子高齢化の一方、地球規模での人口爆発、地球温暖化や環境汚染に伴う健康問題、異常気象による食糧危機など、人間や生命に関する解決すべき課題は身の回りに多くあります。人間・生命エリアではこれらの社会問題について、人間や生命の視点で考えていきます。

このエリアで何が学べるか

人間が病気の脅威にどのように対応するか、健康な心身をいかに維持するか等、人間に関する課題に取り組むためには、遺伝子やたんぱく質など生命の分子的および化学的な働きとともに、人間の意思決定や精神活動も理解する必要があります。このため、分子細胞生物学、生理学、生化学などの基礎生物学とともに、認知科学、脳科学、生命倫理学などヒトを対象とした人間科学を学びます。

気候変動、パンデミック、食糧問題、環境汚染問題、ストレス社会、医療や福祉などの様々な社会問題に対して、遺伝子やたんぱく質などの分子、細胞レベルからのアプローチ、あるいは、行動分析や脳機能イメージング等を用いた人間レベルからアプローチし、問題解決を学んでいきます。

エリアの特色

人間・生命エリアでは、生命科学、認知神経科学、脳科学における基礎研究をベースに、農学、薬学、医学や工学、情報学、さらには教育学、経済学、社会学などと協働して以下のような様々な社会問題解決に取り組んでいます。

  • 健康や農業の改善に貢献する薬の開発につながる細胞骨格タンパク質の働きの解明
  • 分子生物学による人間の成長、老化のメカニズム
  • 地球温暖化に伴う熱ストレスの代謝生理への影響
  • 環境汚染による生物への影響
  • 生物学的技術を用いた食糧危機の解決
  • 知覚や意思決定のメカニズムを通じて、社会の様々な側面への対応
  • 脳の働きの可視化や行動解析により、発達障害やメンタルヘルスへの貢献